工場向け業務用エアコンはどう選ぶ?機能・種類・価格相場を解説

業務用エアコンは、設置する環境や用途によって形式や種類が異なります。

例えば、工場ではどういった機能が必要になってくるでしょうか。

まず、工場内は数多くの機械を使用するため、熱がこもりやすい環境であったり、広さによっても、高い馬力を必要とする業務用 エアコンの選定が必要でしょう。

また、環境によっては粉塵が飛んだり、煙や蒸気が発生するような工場もあるでしょう。

そういった環境に対応できる機能とはどんなものがあるでしょう。

ここで、工場に業務用エアコンを設置する上で大切な点も少し触れておきましょう。

例えば、広くて天井高も高い場合、その分エアコンの馬力数や機能もそれ相応のレベルのものを選定する必要があります。

広ければ広いほどコストも跳ね上がるので、いかにして費用を抑え、工場全体を効率的に冷却したり温めたりすることが出来るのか を考える必要があるでしょう。

そして、最も大切な点は「工場の従業員が常に快適な空調環境の中で働くことが出来るようにすること」です。

広さがあって天井が高い場合はそれに応じたエアコンを選ぶことで効率的に空調環境を整え、ランニングコストを 抑えることにもつながります。

ここでは、工場の広さや天井高を例に挙げましたが、それ以外にもエアコンを設置する上で考えるべき条件は様々でしょう。

以下では、工場における業務用エアコンはどういったものを選べばいいのか、設置する上での注意点から、必要になる機能や種類も 併せて紹介していきますのでエアコン選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。

目次

工場にエアコンを設置する上で注意すべき点と対策について

エアコンを長期的に使用していると、エアコン内に取り込んだ空気中のホコリや塵などが中で溜まっていきます。

そうなると、エアコン使用時に、温風や冷風とともにそれらが吐き出されることになるでしょう。

エアコン内部にはフィルターも備わっていますが、長らく放置することでフィルターとしての機能を果たせなくなってきてしまいます。

それだけではなく、ホコリや塵が詰まってしまうことで空気の循環がスムーズにいかなくなり、より多くのエネルギーを消費することで電気代もその分多くかかってしまうことにもなりかねません。

粉塵などが飛び交うような工場では特に注意が必要で、メンテナンスも必要に応じて行えるようにしておかなければなりません。

また、工場にエアコンを設置する際には大量の電気を使用するためブレーカーなどの配電設備との配置関係を気にする必要も出てきます。

設置場所によっては思わぬ費用が掛かってしまう恐れがあるためです。

工場という特殊な環境ではこういった多くの注意すべき点があります。

それを踏まえたうえでエアコンの選定をするべきでしょう。

こちらの項目では、エアコンを設置する上での主な注意点とそれに対する対策を具体的に紹介していきますので、エアコンを選定 する前に、事前に知識として取り入れておくと良いでしょう。

空調機の仕組み

まず、注意点・対策をお話しする前に、エアコンの仕組みについて軽く触れていきたいと思います。

エアコンは基本的に室内機と室外機がセットとなっており、それぞれが配管でつながっています。

冷房を例に、どういった仕組みで動いているのか見ていきましょう。

STEP
室内機の熱交換器を通して、室内の熱を冷媒※1が運ぶ

室内にある熱を、熱交換器※2を通して冷媒が奪っていきます。

その熱を乗せた冷媒がパイプを通して室外機の熱交換器へと運んでいき ます。

STEP
運んだ熱を、熱交換器を通しておろす。

冷媒が運んだ熱を、室外機の熱交換器を通して、おろします。

STEP
熱をおろした冷媒が再び室内の熱を奪いに行く

熱をおろした冷媒が再び室内にある熱を奪いに行きます。

STEP
上記の循環を繰り返す。

この循環を繰り返すことで、室内の熱をどんどん奪っていき、部屋の空気を冷やしていきます。

※暖房の場合は冷房の働きとは逆の働きをします。外の空気にある熱を冷媒が運び、室内機の熱交換器を通して熱を吐き出すという仕組みになります。

※1冷媒とは・・・

熱を温度の低い場所から高い場所へと移動させるために使用される流体のことです。

空気中の熱を部屋の中に運んだり、外に運んだりします。

どのように運んでいるのかというと、液体が気体になるときに周囲の熱を奪うという性質を利用 しています。

例えば、汗をかいてからしばらくすると汗が蒸発します。

その時に寒いと感じることがあるでしょう。

これは、汗が 蒸発するときに周囲の熱を奪っているからなのです。

逆に、気体が液体になる際には周囲に熱を放出します。

※2熱交換器とは・・・

暖かい流体から冷たい流体に、冷たい流体から暖かい流体へと熱を移動させる機器のことです。

例えば、冷房の場合は室内の熱を冷媒を使用して熱交換器で奪います。

エアコンの経年劣化

工場にエアコンを設置する上で特に注意が必要なのが、経年劣化です。

工場の場合は、熱がこもりやすく従業員が快適に過ごせるように常にエアコンの稼働が必要となってきます。

工場内部の温度が高ければ、それだけ消費するエネルギーも大きいでしょう。

また、ホコリが舞いやすかったり、粉塵などが飛ぶこともありますし、 化学薬品などを使用する場所では揮発した成分がエアコン内部で錆を引き起こしたりすることにもなりかねません。

そういった環境ですと、いくらフィルターが備わっていたとしても、あっという間にメンテナンスや清掃が必要な状態になり得ますし、経年劣化もしやすい環境といえるのではないでしょうか。

エアコンの経年劣化にはこういった様々な要因がありますが、ここでは、業務用エアコンの経年劣化を早める代表的な要因を3つ紹介したいと思います。

◎メンテナンス不足

業務用エアコンは定期的にメンテナンスを行うことを前提として設計されているため、メンテナンスをせずに放置していた場合、 耐用年数に達しないうちにに空調が効かないなどの不具合が発生したり、使えなくなってしまう恐れがあるでしょう。

◎悪環境下での使用

工場や飲食店などでの使用では特にですが、油分やホコリなどがあっという間にエアコン内部に蓄積していくため、高い頻度でのメンテ ナンスが必要になってくるでしょう。

◎使用せずに放置

工場の稼働がない期間が長期間発生した場合に、エアコンも必然的長期間使わない状態となってしまうでしょう。

しばらく使用しないことでホコリが蓄積したり、メンテナンスの頻度も落ち、内部から劣化が進んでしまうでしょう。

そもそも、業務用エアコンの耐用年数は10年程といわれておりますので、それ以前に故障してしまった場合などはメンテナンス不足を疑った方が良いでしょう。

以下では、エアコンの寿命を長持ちさせるうえで重要な対策について紹介していきますので、一度目を通して おくと良いでしょう。

エアコンの経年劣化への対策とは・・・

エアコンの稼働時間が長いもしくは全く使用しない、メンテナンスをしない、使用する環境の条件が悪いなどの要因により、 エアコンの機能や性能にも影響が出てしまったり、寿命が短くなってしまう恐れがあることが分かったかと思います。

ここでは上記のようなエアコンの劣化の要因を踏まえて、どういった対策をしていけば良いのか、解説していきたいと思います。

手が届きそうな部分は自分でクリーニングを。

自分でクリーニングできそうな箇所は定期的に行えるのが理想。

毎回のごとく、業者にお願いしてしまうと金銭的な面も考慮しなくてはなりません。

こまめに掃除することでエアコンを清潔に保てるだけでなく、長持ちさせることにもつながりますので、自分でクリーニングする方法を身に着けておくと良いでしょう。

以下では、自身で行うクリーニングの大まかな手順を紹介します。

STEP
電源を抜く。
STEP
フィルターを取り外す。
STEP
フィルターの汚れやごみを掃除機で吸い取る。
STEP
掃除機で吸い取れなかった汚れやごみを水で洗い流す。
STEP
乾燥後に外で天日干しする。
STEP
フィルターを元に戻す。
STEP
本体の拭き掃除
STEP
電源を戻す。

内部のクリーニングは業者に任せよう。

エアコンのフィルターなどの表面的な部分のクリーニングは自分でも可能。

ですが、エアコン内部のクリーニングとなると専門的な知識が必要となるため、専門の業者に依頼するのがベストでしょう。

自分なりの判断で進めてしまうことで、機械を故障させてしまったり、部品を紛失する、元に戻せなくなってしまうなどの恐れもでてきてしまうからです。

特に工場での作業は製品への異物混入などへの配慮も求められるため、クリーニングを行うというだけでも慎重に進めていく必要があります。

コストはかかってしまうでしょうが、上記のようなリスクを考慮すると業者に任せる方が安心でしょう。

工場由来の汚れやごみがエアコン内部に蓄積

工場では、一般的な家庭や施設では使用しないような特殊な化学薬品などを使用することがあるでしょう。

そういったものが空気中に漂うことでエアコン内部にも影響が出てくる可能性があります。

使用する化学薬品によっては、エアコン 内部で腐食を起こしたり、錆の原因になることもあります。

その他、塵やホコリが発生しやすい環境だと、エアコン内部に蓄積することで、汚れやカビの原因となるでしょう。

特にカビには注意が必要です。

冷房や暖房を稼働させることによってカビが舞うことにもなりかねません。

そうなれば、働いている従業員への健康被害や工場内で生産しているものへの異物混入などが発生することにもつながります。

吹き出し口やエアコン周辺の天井、フィルターは特に要チェックです。

普通のホコリや塵などとは異なるような物質を発見した場合は 工場内で異物が発生している恐れもあります。

エアコン内部の汚れへの対策とは・・・

エアコンを長期的に使用する上で、必ず避けては通れない課題があります。

それは、汚れやごみの蓄積です。

特にホコリや塵が舞いやすい工場ではより一層注意が必要でしょう。

ホコリや塵などが蓄積しやすいエアコンに対して、物理的にそれを防ぐ方法があります。

ここではどのようにしてこの問題に対処すればいいのか、紹介していきます。

吹き出し口にフィルターを設置する

エアコンから汚れや異物を発生させないために効率的な方法として挙げられるのが、フィルターを二重にするという方法です。

エアコンの吹き出し口に取り付けるための専用フィルターというものが販売されているので、そういったものを取り付けることでホコリや塵などのエアコン内部への侵入を防ぐことが出来ます。

エアコンによって吹き出し口の大きさが異なっておりますが、オーダーメイドでサイズや型状に合わせて対応することが出来る商品もあるようなので、定期的に行うメンテナンスや掃除と合わせて使用してみると良いでしょう。

工場に設置するエアコンに必要な機能

工場内では機械を数多く使用している場合があるため、工場内全体に熱がこもりやすく、従業員が働きやすいよう常に一定の温度環境を保たなければなりません。

また、精密機器が設置されている場合、ホコリやごみなどの物質が入り込まないように対処する必要があります。

その為、こういった工場内での問題を解決するためにはいくつかの機能が必要となってきます。

以下では、工場に設置する業務用エアコンに求められる機能について紹介していきます。

温度調整がしやすい

上記でも少し説明した通り、工場内では数多くの機械を使用している場合があり、熱がこもりやすくなります。

例えば食品などを扱っているような工場では、温度管理が非常に重要になってくる為、細かく温度調整できるような機能を要するでしょう。

また、フィルターにごみなどが詰まることで冷暖房機能が正常に働かなくなる可能性があり、さらに、温度調整にも影響が生じることにもなり得るので、そういった意味ではフィルターを掃除しやすい、メンテナンスを行いやすいエアコンを選ぶといいでしょう。

また、工場内で使用している機械によっては、工場内の空調環境を変化させることでその機械の性能が低下したり、必要な温度を保とうとする場合もあります。

そういった時は、部屋全体の空調を整えるのではなく、あくまでも従業員が働きやすくする環境づくりが必要なので従業員がピンポイントで冷暖房の効果を得られるように工夫する必要があるでしょう。

従業員のみにピンポイントに冷暖房効果を感じられるようにするには、スポット型のエアコンを使用すると良いでしょう。

詳しい内容は以下の「工場向け業務用エアコンの種類・タイプの選び方」の項目で説明いたします。

空気清浄機能

工場内では、精密機器を使用している場合もあるため、ごみやホコリの影響を受けやすいでしょう。

また、食品を扱う工場ではごみやホコリが食品に付着することは避けなければなりません。

そして、工場によっては粉塵が飛ぶような環境もあるため、従業員の健康にも影響を及ぼす可能性もあるでしょう。

こういった問題に対処するためには、常に清潔な空気を保つ必要があるので、空気清浄機能は必要な機能と言えるでしょう。

フィルターの自動洗浄機能

工場内では、場合によっては煙が発生したり、粉塵が飛ぶような現場もあるでしょう。

そういったところでは、フィルターの自動洗浄機能が無ければエアコンのフィルターにごみが蓄積しやすく、その都度フィルターの清掃が必要になってしまいます。

その手間を省くために、場所によってはこちらの機能が必要になるでしょう。

湿度管理ができる

工場内では、特に真夏などは機械の稼働によって熱がこもってしまうことで熱中症になってしまう恐れがあります。

熱中症というと、温度が大きく関わっていることは確かなのですが、実は熱中症の原因としては、温度だけではなく湿度も大きく関わっています。

湿度が高いことで、熱を奪う役割を果たす汗の蒸発がしにくく、高温になった体温が下がりにくくなるために熱中症になってしま うのです。

また、湿度が60%を超えると、カビが生えやすくなってしまうので、精密機器を扱っている工場や、食品工場などでは湿度管理はきっちり行う必要があるでしょう。

その為、工場内では、除湿できる機能が搭載されているエアコンを選ぶと良いでしょう。

工場向け業務用エアコンの種類・タイプの選び方

工場に設置するエアコンのメンテナンスに手間や労力がかかってしまうようでは効率的ではありません。

常に稼働し、粉塵などが舞うような環境では劣化も早い為、必要に応じて気軽にメンテナンスを行うことのできるエアコンを選ぶ必要があるでしょう。

また、特殊な環境ともいえる工場では、従業員が働きやすい環境であることはもちろん、精密機器への配慮や異物混入を防ぐことも考える必要があるため、慎重に検討していくと良いでしょう。

そして、エアコンにも様々な種類や機能などが存在するため、エアコンを設置する工場の環境に応じて、どの種類のエアコンが適しているか詳しく紹介していきますので、参考にしてみて下さい。

スポット型(スポットクーラー)

一般的なエアコンだと、工場全体を冷却することによってその分ランニングコストが高くなってしまったり、工場内の機械が温度を一定に保とうとして高温になってしまうなどの支障が出てきてしまいますが、こちらのエアコンは、局所的に強力な風によって冷却することで、ランニングコストを抑え、効率的に暑さ対策をすることが出来るといった優れものです。

こちらのエアコンは天井に埋め込んだり、取り付けたりなどの大掛かりな工事が必要ないので気軽に設置できますし、工事費用も不要なため、経済的にも優しいタイプのエアコンといえるでしょう。

こちらのスポット型のエアコンは、室内機と室外機が一体化しており、吹き出し口からは冷風が、排気口からは温風が排出されるような仕組みになっています。

排気口からダクトで外へとつなぐことで熱を排気でき、室内の温度上昇を防ぐことが可能です。

また、キャスターなどが付いている製品が多く、好きな場所に配置できたり、移動も手軽に行えるのが魅力です。

以下にメリットとデメリットをまとめてみたので、参考にしてみると良いでしょう。

◎スポット型(スポットクーラー)のメリット
  • 天井埋込カセット型よりもメンテナンスがしやすい。
  • 天井が高い場合でも設置することが出来る。
  • 天井埋込カセット型よりも工期が短い。
  • 天井埋込カセット型よりも工事費が比較的安く済む。
  • 床スペースが確保できる。
  • 運転時の音が小さい。
  • パワーが強い。
  • 除菌機能やセンサーが付いているものが多い。
◎スポット型(スポットクーラー)のデメリット
  • 粉塵やほこりが蓄積しやすい。
  • 定期的なメンテナンスが必要。
  • エアコンの真下と両サイドには風がいきにくい。

天井埋込カセット型

天井埋込カセット型のエアコンは、大きく分けて3つのタイプに分かれています。

吹き出し口が4つある4方向タイプ、吹き出し口が2つある2方向タイプ、吹き出し口が1つだけの1方向タイプの3種類があります。

こちらのエアコンは、特に4方向タイプだと、部屋全体に空気が行きわたるので、使用する部屋内の温度を均一に保つことが出来ます。

ただ、工場の環境によってはこちらのエアコンが適さない場合もあります。

理由としては、粉塵やほこりなどがエアコン内部に蓄積してしまい、カビの原因になってしまったり、ゴキブリなど虫の温床になってしまうことがある為です。

また、粉塵やほこりなどが吹き出し口に詰まってしまうことで、エアコンの劣化や故障にもつながりかねません。

設置する場合は、周辺の環境などしっかりと考慮してからの方が無難かもしれません。

以下にメリットとデメリットを示しましたので、参考にしてみて下さい。

◎天井埋込カセット型のメリット
  • 4方向型を利用することで空間全体を隈なく空調管理することが出来る。
  • 一台の室外機で複数の室内機を運用できる。
  • 天井に埋め込むため、空間をスタイリッシュに見せられる。
◎天井埋込カセット型のデメリット
  • 設置費用が高額
  • 故障などのトラブルが天井裏で起きる
  • メンテナンスが大変
  • 粉塵などが舞うような工場だと不向き
  • 照明器具の配置との兼ね合いを考える必要がある。

ダクト型

こちらの業務用エアコンは、室内機を天井に埋め込み、吹き出し口のみが天井に露出しているタイプのエアコンです。

吹き出し口のみが露出していることで、デザイン性のある部屋であれば、雰囲気を損ねずに設置できるという特徴があります。

また、吹き出し口を自由に配置することが出来るので、従業員が多くいる場所に吹き出し口を設置するということも可能です。

さらに、1つの本体に対して、吹き出し口を複数設置することが可能なので、部屋が分割されているような環境でも、それぞれの部屋に配置できる点が魅力でしょう。

しかしながら、エアコン本体は天井裏に隠れてしまうので、メンテナンスが大変であるということと、梁や配管などが多い工場などでは設置場所を選ばざるを得ない場合があります。

粉塵やほこりが舞う工場の場合、吹き出し口のある他のエアコンと同様にゴミなどが蓄積しやすいので、フィルターの清掃を頻繁に行わなければなりません。

しかし、ダクト型はフィルターの交換が大変で、業者を呼んで清掃を行う必要があるので、コスト面でもあまり良心的とはいえないでしょう。

どちらかといえば、こちらの業務用エアコンはインテリアを重視したい方向けのエアコンなので、工場のような効率性や生産性を重視するような場所にはあまり適さないでしょう。

以下にメリットとデメリットを示します。

◎天井埋込ダクト型のメリット
  • デザイン性のある空間の雰囲気を損ねない
  • 吹き出し口を自由に設置することが出来る。
  • 各部屋に送風が可能。
  • 空調機が天井に埋め込まれていることで空間をスッキリ見せられる
◎天井埋込ダクト型のデメリット
  • メンテナンスが大変
  • 天井に穴を開けなければならない
  • 工場のような梁や配管が多い環境では設置場所を考慮する必要がある。
  • 工事費用が他のエアコンに比べて高くなる。

床置型

床置型のエアコンは、工場内の天井が高い環境の場合に設置するのがおすすめのエアコンです。

また、こちらのエアコンの特徴としては、足元から送風されるため、暖房の効率が良いです。

どういうことかというと、天井埋込カセット型や天吊型のエアコンは高い場所から送風され、暖かい空気は上部に溜まっていくという特徴から、足元は暖まりにくいです。

しかし、床置型のエアコンは足元から送風されるため、床付近も暖まりやすいのです。

そして、天井埋込カセット型のように、天井に穴を開けるなどの工事が必要なく、その分の工事費用がかからない点が魅力でしょう。

掃除などのメンテナンスも比較的楽なので工場のようなホコリや粉塵などが舞うような環境ではおすすめでしょう。

デメリットとしては床や壁など、場所を取ってしまうので、機械が多く、スペースが確保できないような環境だと不向きかもしれません。

以下にメリットとデメリットをまとめました。

◎床置型のメリット
  • 特に暖房の効率が上がる。(床付近から送風されるため)
  • 工事費用が比較的安く済む
  • 掃除やメンテナンスが楽
  • 天井に穴を開ける必要がない
◎床置型のデメリット
  • 床や壁の場所を取ってしまう。
  • 粉塵などが舞う環境だと、メンテナンスの頻度が多い。

大型冷風機

大型冷風機は、水が蒸発する際に周囲から奪う熱、気化熱の仕組みを利用して冷風を発生させます。

効率的に冷却するための環境としては、室温が高く、湿度が低い場合です。

湿度が高い場合や、狭い空間などでは効果があまり期待できず、使う場所を選ぶ場合があるでしょう。

大型冷風機は強力な風で空気を冷却していきますが、その割には節電効果が高いです。

業務用エアコンのような大型の空調機では消費電力が大きいのですが、こちらの大型冷風機は業務用エアコンに比べて経済的に優しいので、コスト面を抑えたい方にはぴったりでしょう。

またキャスターが付いている製品が多いので、移動も楽です。

以下にメリットとデメリットをまとめてみました。

◎大型冷風機のメリット
  • 一般的な冷房器具のような結露水の発生がないため、排水の必要がない。
  • 節電効果が高い ・移動が楽で、好きな場所に配置できる。
  • 工事の必要がない。
  • エアコンのように高い電力を使用しないため、ランニングコストが抑えられる。
  • 工場のような大空間に適する。
  • 1分当たりの風量がスポット型よりも40倍大きい。(1分間の風量:スポット型が5㎥に対し、大型冷風機は200㎥)
  • スポット型のように排気がない。
  • 広範囲に風を送ることが可能。
◎大型冷風機のデメリット
  • 気化熱を利用するため、給水が必要。
  • 湿度が高いと冷却効果が得られにくい
  • 湿度をあげてしまうので、狭い空間には適さない。

工場用のエアコンに必要な馬力数

工場は小規模な環境から大規模な環境まで様々です。

中には天井が高い工場もあるでしょう。

その為、馬力数も工場の広さや高さに応じた数値のものを選ぶことが大切です。

また、広さのある工場では特に、設置するエアコンの台数が複数台にわたる場合もあります。

そういった時に、必要な馬力数は台数によって変化するので、その点は考慮する必要があります。

適切な馬力数の業務用エアコンを選ぶことでランニングコストを抑えることにもつながりますので、ぜひ、下図の広さに応じた馬力数を参考にして、エアコン選びにお役立て下さい。

また、工場では、天井高や広さ以外にも、使用している機械や環境も異なる為、使用する製品に関しては慎重に検討していくと良いでしょう。

工場用エアコンに掛かる費用・価格

工場における業務用エアコンは、工場の環境によって、適切な製品を選定する必要があります。

それに、広さによっては1台のみならず、複数台設置することも想定しておかなければなりません。

まず、エアコンを設置するときに配慮すべき点ですが、複数ある為、以下にまとめてみました。

何を扱う工場なのか

扱うモノによっては温度管理を徹底しなければなりません。

広さはどのくらいか      

広さに応じて、適切な馬力数の業務用エアコンを選定する必要があります。

天井高はどのくらいか     

天井高に応じて、適切な馬力数の業務用エアコンを選定する必要があります。

粉塵が舞うような環境か   

フィルター交換などメンテナンスのしやすいエアコンを選定する必要があります。

精密機器を扱っているか   

ほこりやゴミがエアコン内に蓄積しにくくする必要があります。

室温によって影響を受ける機械や製品があるかどうか 

従業員など局所的に送風できるエアコンが望ましいです。

配管がどれだけ通っているのか 

配管の配置によってはエアコンの設置場所を考慮する必要があります。

湿度が高い環境かどうか    

湿度管理もできるエアコンがおすすめです。

熱がこもりやすい場合は熱中症を防ぐためです。(精密機器を扱う工場や食品工場の場合、カビ発生の抑制も必要な為)

複数の部屋で構成されているか 

エアコンを複数台設置する必要があります。

また、吹き出し口を複数設置できるエアコンが望ましいでしょう。

上記のように、一言に工場とはいっても広さや天井高、扱う製品が異なったり、温度によって影響を受けるような製品を扱っていたりすることもあるでしょう。

これだけ様々な条件がある中で、工場内の広さが同じであろうと種類の異なる業務用エアコンを使用する必要があることも充分に考えられます。

まず、それを前提としたうえで、適切な製品・馬力数の業務用エアコンを選定するのが望ましいでしょう。

下記では、それぞれのエアコンがどのくらいの相場で、どの程度の馬力数のものがあるのか、詳しく見ていきます。

設置・導入コスト

さて、上記で紹介した複数の環境下で、それぞれに応じた機能を持つ業務用エアコンを選定する必要性について少し触れさせていただきました。

それを踏まえたうえで、果たしてエアコンの設置にはどのくらいの相場の金額がかかるものなのかも知っておく必要がありそうです。

ここでは、各業務用エアコンの本体価格や、設置工事にかかる費用について一つ一つ紹介していきます。

スポット型(スポットクーラー)

スポット型(スポットクーラー)は、上記でもご紹介した通り、移動が簡単にできる、好きな場所に設置できるといった魅力があります。

また、ピンポイントで送風でき、気軽に導入することが出来る点がスポット型(スポットクーラー)の特徴です。

そういった気軽さから、価格も一般的な業務用エアコンと比較するととても安価で販売されており、工事も不要といった点が大きな魅力でしょう。

その為、設置に際して大きな費用がかかりません。

以下はおおよその価格相場です。

◎商品本体価格相場(ビックカメラ.com参照)

28,560円~175,770円

天吊型

天吊型のエアコンは上記でもご紹介した通り、工場内では、天井が高い場合や、工事費を抑えたい方などにおすすめのエアコンです。

天井に穴を開ける必要がないので、その分工事費が抑えられる点がこちらの業務用エアコンの魅力といえるでしょう。

下記では馬力数ごとの本体価格相場と設置工事費の相場を併せて紹介していきます。

◎商品本体価格相場(価格.com参照 シングル価格)
3馬力 157,270円 ~ 579,056円
4馬力 187,200円 ~ 664,526円
5馬力 253,220円 ~ 297,000円
6馬力 274,310円 ~ 315,800円
◎設置工事費用(シングル)
1.5馬力 73,000円程度
3馬力  90,000円程度
4馬力  10,0000円程度
5~6馬力10,0000円~110,000円程度
8馬力  140,000円程度
10馬力 160,000円程度

天井埋込カセット型

天井埋込カセット型の業務用エアコンは工場内にムラなく空気を行きわたらせることが出来る点が魅力ですが、設置に際して、天井に穴を開ける必要がある為、設置工事費が比較的高いでしょう。

ただ、馬力数の種類が豊富であるのと、4方向型から1方向型まで吹き出し口の数にも複数の種類があるので選択肢は幅広いといえるでしょう。

下記で、それぞれの価格相場はどのくらいの設定なのか、種類別に見ていきたいと思います。

◎商品本体価格相場(価格.com参照 シングル価格)
〇4方向型
1.5馬力186,050円 ~ 206,318円
2馬力 228,188円
2.3馬力250,518円
2.5馬力199,518円 ~ 249,558円
3馬力 172,820円 ~ 678,500円
4馬力 197,260円 ~ 737,931円
6馬力 293,720円 ~ 319,800円
〇2方向型
3馬力 225,800円 ~ 604,683円
4馬力 213,500円 ~ 688,125円
〇1方向型
3馬力 185,100円 ~ 604,683円
4馬力 220,000円 ~ 688,125円
◎設置工事費用(シングル)
1.5~2.5馬力 77,000円程度
3馬力   96,000円程度
4馬力   110,000円程度
5~6馬力  100,000~115,000円程度

ダクト型

ダクト型の業務用エアコンは、吹出口と吸込口が本体から分離しており、エアコンをあまり目立たせたくない場合におすすめのエアコンです。

吹出口と吸込口のレイアウトが自由に設定できるのが魅力ですが、天井内に本体を設置するために、設置工事費用が高いのも特徴です。

馬力数が豊富なため、価格相場も幅広く設定されています。

以下では、代表的な馬力数を価格相場とともに紹介していきます。

◎商品本体価格相場(価格.com参照 シングル価格)
3馬力 167,750円 ~ 492,069円
4馬力 193,020円 ~ 617,497円
◎設置工事費用(シングル)
2馬力~10馬力 93,500円~程度

床置型

床置型の業務用エアコンは上記でも紹介した通り、天井の高い工場や倉庫などにおすすめのエアコンです。

設置時に天井に穴を開けたり、大きな工事が必要ない為、設置費用も、他の業務用エアコンに比べて比較的安価で済みます。

下記の方で床置型の業務用エアコンの相場を見ていきましょう。

◎商品本体価格相場(価格.com参照)
3馬力 172,100円 ~ 426,437円
4馬力 197,400円 ~ 696.682円
◎設置工事費用(シングル)
1.5~2.5馬力50,000円程度
3馬力   65,000円程度
4馬力   77,000円程度
5~6馬力 88,000円程度
8馬力   120,000円程度
10馬力  145,000円程度

大型冷風機

大型冷風機は、業務用エアコンと比較して本体価格が安価なものが数多く揃っています。

パワーが大きい割に、ランニングコストも一般的な業務用エアコンに比べてとても安いのでその点は大きな魅力でしょう。

また、設置費用に関しても、取付工事が不要の為、手軽に導入することが可能です。

以下に価格相場を示しておりますので是非参考にしてみて下さい。

◎商品本体価格相場(価格.com参照)

73,527円 ~ 171,050円程度

業務用エアコン設置の際に追加でかかる費用について

業務用エアコンを設置する際に、本体価格と設置費用以外にも思わぬ費用がかかってしまう場合があります。

例えば、もともとあったエアコンを廃棄する場合や、配管やホースが必要な場合であったりなど、様々な問題が隠れている可能性があるのです。

こちらの項目ではそのような追加出費がかかるケースと、それにかかる費用についてまとめましたので、エアコンを新規購入する前に、確認しておくといいでしょう。

◎追加出費が発生するケースと費用
元々設置してあったエアコンを撤去したり、廃棄する費用4-20万円程度
配管やホースが想定以上に必要になった場合      1m毎に2,000~3000円程度
電源の確保、電力不足により電気工事が必要な場合   2000円~5000円程度
室外機の設置時に金具などの部品が必要な場合     8,000円~16,000円台程度
室外機を2階以上に取り付ける場合           3,000円~10,000円台程度

ランニングコスト

業務用エアコンを設置する上で考えなければならないことは、設置するときだけでなく、設置後のことも考慮しなければなりません。

では、具体的にどういったことを頭に入れておく必要があるでしょうか。

エアコンを稼働する上で押さえておきたいポイントのひとつとして、ランニングコストが挙げられるでしょう。

エアコン稼働時にどれだけの費用がかかるのかは、その製品の種類や馬力数であったり、メンテナンスの仕方などによっても異なってきます。

こういったことは事前に知っておくと、運用していく際の参考になるでしょう。

以下では、業務用エアコンにおける消費電力についてや、電気代のの計算方法、各エアコン別にどれだけの費用がかかるのかをまとめましたので、導入前に押さえておくといいでしょう。

消費電力について

業務用エアコンにおける、ランニングコストについて知っていくうえでまず最初に理解しておく必要があるのは、消費電力についてです。

消費電力は電気代ととても関わりが深く、電気代の計算の際にも必要な知識となりますので、覚えておくと良いでしょう。

まず、消費電力とは、電化製品を動かすために必要な電気で、「W(ワット)」で表すことが知られています。 業務用エアコンの場合は、何馬力なのか、または何kW(キロワット)であるかという表示になります。

馬力数は先述でも紹介している通り、エアコンを使用する部屋の広さによって数が異なります。

部屋の広さに応じた馬力数のエアコンを使用することで、ランニングコストが抑えられるため、多くのサイトでは「エアコンの馬力数に応じた適切な部屋の広さ」を表した表が掲載されていることが多いかと思います。

当記事でも先述で紹介しておりますので、是非参考にしてみて下さい。

ちなみに、馬力数は何kWという風にkW(キロワット)に単位を変換することが可能です。

1馬力 = 2.8kWということを覚えておくと良いでしょう。 そして、電気代の計算にはkW(キロワット)が使用されます。

電気代の計算方法について

業務用エアコンにおける計算には、以下の計算式が用いられます。

消費電力(kW) × 電力量料金(円/kWh) × エアコンの使用時間(h) = 電気料金(円)

ちなみに上記の計算式ですが、冷房と暖房で消費電力が異なる為、その点は注意が必要です。

電力量料金(円/kWh)とはどういったものかというと、「使用した電力量に応じて発生する料金」を指し、1kWhが基本の単位です。

例えば、夏場の電力量料金が17円だとして、消費電力2.8kWの冷房を、5時間稼働した場合、以下のような計算式となります。

2.8kW × 17円 × 5時間 = 238円

となります。 少なくとも消費電力(kW)についてと、電力量料金(円/kWh)について少しでも理解していれば電気代の計算は苦ではないでしょう。

時間毎、月毎の電気代の目安

業務用エアコンの電気代がどのように算出されるのか、上の項目では紹介させていただきました。

ですが、あまりピンとこない方もいらっしゃるかと思います。

中には、いちいち計算していくのが面倒だという方もいらっしゃるかもしれません。

こちらの項目ではそういった方々のために、ある程度の電気料金の目安を紹介していきたいと思います。

◎1時間毎の電気代の目安(消費電力17円として算出)
1.5馬力(4.0kW)約68円
1.8馬力(4.5kW)約76.5円
3馬力(8.0kW) 約136円
4馬力(11.2kW)約190円
5馬力(14.0kW)約238円
◎1か月毎の電気代の目安(24時間稼働 消費電力17円として算出)
1.5馬力(4.0kW)約50,500円
1.8馬力(4.5kW)約57,000円
3馬力(8.0kW) 約101万円
4馬力(11.2kW) 約142万円
5馬力(14.0kW) 約177万円

種類別におけるランニングコストとは

上記では、電気代に関わりの深い消費電力についてや、電気代の計算方法、時間毎、月毎のおおよその電気代の目安などを説明してまいりました。

ですが、エアコンの種類や稼働時の条件によってもランニングコストのかかり方が変わっていきます。

上記を踏まえ、以下の項目では、各業務用エアコン・大型冷風機によって異なるランニングコストについて説明していきたいと思います。

スポット型

スポット型エアコンは業務用エアコンの種類・タイプの選び方の項目でも説明した通り、部屋全体の空調を整えるというわけではなく、部屋の一部分の空調を整えるという使い方をします。

スポット型エアコンに関しては値段が他の業務用エアコンよりも安価で、設置工事も不要なため設置費用もかからない点が大きな魅力でした。

電気代に関しては、メーカーにもよりますが、家庭用エアコンよりは少しコストがかかりますが、設置や移動が気軽に行える点を考えると十分抑えられるといえるでしょう。

おおよそ1カ月で3000円程度なので、業務用エアコンと比較すると1/3程度に抑えられます。

天吊型

天吊型のエアコンは天井が高い場合や天井に埋め込むスペースがない場合に設置するのが適しているエアコンでしたね。

工場においては、メンテナンスのしやすさがカギになってくるので、こちらのエアコンに関しては、本体が天井に埋め込まれている天井埋込カセット型の業務用エアコンよりもフィルター交換がしやすかったり、メンテナンスが行いやすい点が魅力でした。

ランニングコストの面でいうと、メンテナンスを定期的に行っているかどうかは重要な点で、汚れやほこりが蓄積した状態ではその分電気代も高くなってしまうので、比較的メンテナンス性に優れたこちらのエアコンはランニングコストを最低限まで抑える には適しているでしょう。

天井埋込カセット型

天井埋込カセット型のエアコンは、部屋全体を均一に空調管理できる点や、比較的種類が豊富であったり馬力数も豊富に揃っている点が魅力です。

しかし、天井に埋め込む為、設置費用が高額であったりメンテナンスも大変だという特徴もあります。

定期的にメンテナンスが出来ない場合に汚れやゴミの蓄積により電気代もより多くかかってしまうので、全体的なコストは高くなってしまうでしょう。

特に、工場内では精密機器や食品を扱っている場合もあるので、ホコリやゴミがエアコン内部に溜まっていくことは防がなくてはなりません。

ダクト型

ダクト型のエアコンは、吸入口と吹出口が別々に分かれており、吹出口を自由に配置できるので部屋のデザイン性を重視したい方向けのエアコンでしたね。

従業員が多くいる場所に吹出口を配置することで効率的に、従業員が快適に過ごすことが出来るようにすることが可能ですが、その反面、エアコン本体が天井裏に隠れている為、メンテナンスを行うのに業者を利用する必要があるので、その点メンテナンス代をランニングコストに含めるとすれば、多くかかってしまうでしょう。

床置型

床置型のエアコンは、天井が高い工場に設置することがおすすめのエアコンでしたね。

天吊型や天井埋込カセット型などの業務用エアコンが足元から送風が行われるため、暖かい空気が上部に上がっていく特性から、暖房は特に効果的に空調を整えることができるでしょう。

また、ランニングコストの面から見ると、天井に設置するエアコンと比較してメンテナンスを容易に行うことが出来るので、比較的コストを抑えられるでしょう。

大型冷風機

大型冷風機は水が蒸発する際の熱を奪う原理を利用して、冷風を発生させる仕組みとなっています。

この仕組みを利用することで効率的に空気を冷やしていくことができます。

エアコンと比較すると、消費電力が低いので、ランニングコスト面を見ると、他の業務用エアコンよりも抑えられます。

工場用エアコンの導入に補助金は使える?

業務用エアコンを導入する上で、設置費用やランニングコストによって費用が大きくなってしまうこともあるでしょう。

そういった時に、補助金を利用できるかどうか気になる方もいるのではないでしょうか。

ここでは、業務用エアコンにおける補助金について説明していきます。

業務用エアコンの場合、国や地方公共団体の補助金制度を利用することが可能です。

主にどういった種類の補助金があるのかリストで紹介していきますね。

◎業務用エアコンに導入する補助金

大規模感染リスクを低減するための高機能換気設備等の導入支援事業

不特定多数の人が集まる場所(ホテルや飲食店など)に高機能換気設備や高機能空調設備などを導入する補助金制度です。

対象企業民間企業・個人事業主・医療法人、学校法人など
対象設備対象設備:高機能換気設備・空調設備・電気設備・測定機器・工事費
補助率2/3
上限額2,000万円

先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金

省エネ効果を保持する空調設備などへ投資する事業者を支援する補助金制度です。

対象企業国内で事業を営んでいる法人及び、個人事業主
事業区分先進事業・オーダーメイド型事業・指定設備導入事業・エネマネ事業
補助率事業区分毎に算出・設定した定額の補助
上限額15億円/年度 (先進事業・オーダーメイド型事業) 1億円/年度 (指定設備導入事業・エネマネ事業)

工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業

CO2排出削減に取り組む事業者への補助金制度です。

対象企業CO2排出削減に取組む事業者
対象経費脱炭素化促進計画策定・設備更新補助
補助率1/2 (脱炭素化促進計画策定) 1/3(設備更新補助)
上限額100万円(脱炭素化促進計画策定) 1億円または5億円(設備更新補助)

民間建築物等における省CO2改修支援事業

現存する民間建築物に対してCO2削減に寄与するために設備を導入するにあたっての支援を目的とした補助金制度です。

対象企業建築物所有者(民間企業など)
対象経費CO2削減に寄与する空調設備・BEMS装置などの導入費用
補助率1/3
上限額5000万円

テナントビルの省CO2改修支援事業

ビルのオーナーとテナントがグリーンリース契約を結ぶことで、テナントに必要とする設備を導入する事業を支援するための補助金制度

対象企業テナントビルを所有する法人・地方公共団体など
対象経費設備費・工事費・事務費
補助率1/3
上限額4000万円

以下では、地域ごとに設定されている補助金制度もあるので、是非参考にしてみて下さい。

◎地域が限定されている補助金制度

原油価格高騰等対策支援事業(東京都)

ウクライナ情勢と原油価格の上昇の影響を受ける東京都内の中小企業を対象とした助成金制度です。

中小規模事業所向け省エネ型換気・空調設備導入支援事業(東京都)

都内の中小企業事業所を所有・使用している企業を対象とした助成金制度です。

CO2排出削減設備導入事業【中小規模事業所向け】(埼玉県)

埼玉県内の民間事業者の事業所において、CO2排出量の削減を行う為に必要な設備整備事業への支援制度です。

まとめ

こちらの記事では、工場における業務用エアコンはどういったものを選定すればいいのかということを解説してきました。

工場で扱う業務用エアコンは工場内の高さや広さ、精密機器を扱うか、粉塵が舞うかなどの条件によって変わってくることが分かりましたね。

また、それぞれの業務用エアコンのメンテナンスを定期的に行う必要性なども分かったかと思います。

工場に業務用エアコンを導入するにあたって考慮すべきことが多くあるかと思いますが、こちらの記事がお役に立てば幸いです。

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